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元触・小場の御移り

御移り

親父役が交代制である元触、山田集落では、2〜5年毎(3年の所が多い)に、
「お移り」「お直り」といわれる、津元の御前様が新しい親父役の家に移る行事が行われ
る。基本的な形は、御神体が移る前の旧宿で、お発ちを祝ってオラショを唱え宴会を行い、
御神体を新宿に移した後、神様を迎えた事を祝ってオラショを唱えて宴会を行う。
 元触集落・小場垣内のお移りは2日間に渡る盛大なものである。お移り当日の午前中、
まず1日宿で親父、隠居親父、隠居御爺、御爺、役中らがオラショを唱え、その後、新親父役の家
に使いが2度出る。昼過ぎ、二番使いとともに新親父、新カク様(奥さん)が来る。その
際、少年が鯛と大根、角樽を下げたオコ(天秤棒)を担いでくる。一同一座のオラショを
唱えて宴席となる。宴席後、新親父はゴアン様(津元のお水瓶)を受け取り、新カク様
と家に帰る。1時頃、部屋を片づけて茣蓙を敷き、木祠の御神体等を取り出して風呂敷等
に包み、空になった木祠共々玄関から外に出す。昔は孟荘竹を括り付けて抱えたが、現在
は木祠はトラックで運んでいる。新親父宅では再び玄関から入れ、木祠を飾り終えると一
同でオラショを唱え、宴席となる。夕方には新親父、新カク様を除く一同が旧親父宅に戻
り、待っていた旧隠居親父、隠居御爺、辻の親父、御爺らとともにオラショを唱え、宴席
となり、一同が退席すると今度は親戚らとの宴会となる。翌日も夕方から、今度は新親父
宅でお祝いが行われる。
 山田集落では4月初頭にお直りを行う所が多いが、近年は節句の行事と併せて行うこと
が多い。山田1垣内では午前中、垣内各家の主人たちが親父の家に集まり、節句のお祝い
のためにオラショを唱え、宴会をする。昼過ぎには、今度はお直りのためにオラショを唱
え、宴会をする。その後、木祠から御神体などを取り出して各自が持ち、敷いた茣蓙の上
を歩いて縁側から出て新親父宅に向かう。道中、先頭の者は箒で道を掃く所作をし、次の
者は塩を撒き、その次の者はサンジュワン様のお水をうつ。その後ろを御前様を持った新親父と、
木祠を担ぐ者達が続く。新親父宅では縁側から上がり、木祠を置いてお飾りする。一方前親父の
先代親父にあたる隠居は、前親父宅に引き返してお礼のためのオラショを唱えてから戻っ
てくる。その後、一同で神前でオラショを唱えて宴席となる。
なお同じ山田集落でも正和地区では、移動の際、門口や分かれ道などで行列が止まり、
親父役がお水を打って再び進む形を取る。箒も用いない。

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